2020年3月の国境閉鎖から間もなく1年半…
オーストラリアのコロナ対策については、昨年の早い段階から抑え込みに成功している国の一つとして世界でも注目されていましたが、ここへきて状況は悪化しています。
今日現在、WA州、NSW州、VIC州がロックダウン。ここQLD州も6月下旬から今月頭に1年以上ぶりのロックダウンがありました。QLD州は現在、これらの3州との州境をクローズし、州民が入境する場合は海外帰国者同様、14日間のホテル隔離が義務付けられています。この措置は、非常に厳しいものです。
国境が閉まっていて、海外帰国者の強制隔離もしているのになぜ市中感染が出るのか
ワクチンの接種に関しては、残念ながら日本よりも進んでいません。7月21日現在、オーストラリアのワクチン完全接種者数は国民当たり11%程度。日本は21%程度です。
オーストラリアでは、自国民や永住者以外の学生や短期滞在者を含むすべての滞在者に無料接種を行っており、私たちも早い段階から簡単に予約が取れ、接種ができる状況にいます。
しかし、そもそも、オーストラリアはこれまでほとんどコロナ感染リスクがなく、当面は海外に行くこともできない今、副作用や後遺症がクローズアップされている中で、わざわざ慌ててワクチンを接種する必要がないという、一般的な考えがあったと思います。
そこへきて、現在各州で突如発生している感染拡大。今こそ誰もが「ワクチンを打っておかなければ」と少し考え直しているかもしれません。
モリソン首相は常にワクチン接種率を国境再開の目安と発言
国内の接種が進まないことは、結果的にオーストラリア国民の首を絞めることにもなりかねません。モリソン首相は、国民のほぼすべてにワクチン接種が完了すれば、国境再開が可能だと発言しています。また、航空会社も、今後国際線搭乗の条件には、ワクチン接種を義務付けることを発表しています。
国民全体の80%程度が完全国境再開の目安との発言もありましたが、現時点で11%では、まだまだ先は長そうです。