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代表ブログ

短期留学で最も気になるホームステイ

  • 2023/08/30
  • Tomoko INUKAI
  • ゴールドコーストの学校生活,ゴールドコーストの暮らし,バイリンガル子育て,留学プログラムに関して,短期留学プログラム

皆さん、こんにちは。TAKEOFF Gold Coastの犬飼です。

さて、今年の夏休みプログラムも無事に終盤です。団体プログラムは、例年以上に学校側の内容も良く、参加してくださった皆さんも充実した表情で帰国されました。

今年は、初の試みとして、10月に7泊9日間の小学生向け現地校留学プログラム(すでに満員)を予定しておりますが、年末年始は留学の受け付けをしておりません。

次の募集は、2024年春休みです。

そんな中、お問い合わせでももっとも多い「ホームステイ」についてここに書き記しておきます。

多民族国家・移民の国であるオーストラリアにおいて“オーストラリア人”とは

留学の希望者から最も多い質問や要望は、やはりホームステイに関すること。

「ホームステイ先はいくつかの選択肢から自分で選べますか?」
「ホストファミリーが気に入らなかったら変えてもらえますか?」
「オーストラリア人(白人)の家にしてください」
「中国やフィリピンやインド系のファミリーはやめてください」
「シングルマザーの家は拒否します」

と言った類のものです。

皆さんのお気持ちはよくわかります!!

しかし、これらのリクエストは、オーストラリアの法律では人種差別として処罰の対象となります。

Anti-Discrimination Act 1991 – SECT 124A
124A Vilification on grounds of race, religion, sexuality or gender identity unlawful 124A Vilification on grounds of race, religion, sexuality or gender identity unlawful
(1) A person must not, by a public act, incite hatred towards, serious contempt for, or severe ridicule of, a person or group of persons on the ground of the race, religion, sexuality or gender identity of the person or members of the group.

もちろん、このブログで、法律や人種差別という話をしたいわけではありません。

むしろ、私も日本から子どもを留学に送り出すのであれば、真っ先に同じようなことを考えたと思いますし、島国で単一民族国家で暮らす日本人の場合、肌の色や目の色、髪の色が違うことを当たり前に認め合える環境にいないため、<英語圏=白人社会=留学>と言った根強いイメージはあると思います。

話しはそれますが、私が大学生の時にカナダへ短期留学した際、受け取っていた資料に記載されていたホストファミリーの名前は、KevinとGrace夫妻に息子はJamesでした。

家族写真は受け取っておらず、空港でKevinとGraceとの夢の対面を想像していた私に、「Hi, Tomoko」と声をかけてくれたのが、笑顔の(見た目)中国人一家でした。

私は、呼ばれて振り向いたまま、固まっていたと思いますし、様々な感情で混乱していました。

「カナダ人(勝手に白人をイメージ)…じゃないの?」
「騙された!(誰も騙していない)」
「カナダまで来て私、中国人の家にホームステイするの?」

何と言われようと、これが、この時の私の正直な気持ちです。成人式に着物を買う代わりに、両親に送り出してもらった貴重な4週間の短期留学…

私は、カナダが多民族国家で移民大国であることを知っていたつもりでしたが、それはそういった事実を知っていただけで、それが現実的にどういうことなのかという想像には事足りていませんでした。

ホームステイ先につくと、自宅は立派な西洋風の建物でしたが、中に入ると、中華街でよく見るようなアジアン装飾のリビング。そして、カナダのホームステイ先で最初の夕食は、麻婆豆腐でした(お父さんがお肉屋さん)。

思い描いていたホームステイのイメージとは180度違いました。

しかし、後からわかったことですが、彼らは移民二世・三世で、カナダで生まれ育ち、カナダの国籍、つまりカナダのパスポートを持っていました。彼らは、ルーツは中国でも、ナショナリティとしては「カナダ人」なのです。

もちろん、英語の面でも、彼らの第一言語は英語。どこを切り取ってもネイティブです。

もし、皆さんが誰かを「○○人」だと認識するとき、それは見た目でしょうか。国籍(パスポート)でしょうか。

同じようなことが、ここオーストラリアでも考えられます。

日本人を含むたくさんの移民がこの地で暮らしています。生まれも育ちもオーストラリアで、人種としての母国に一度も行ったことがない人たちもたくさんいます。私の周りにも、ルーツは日本だけど日本を知らない「日系オーストラリア人」はたくさんいます。

そのような「○○系オーストラリア人」も「ホストファミリーをしたい」と考えることは自然です。「あなたは見た目がアジア人なので、ホストファミリーには認められません」と言えません。

ペットの有無や、アレルギーの件、家族構成として子どもの有無、趣味や生活スタイルについては、希望をお聞きしながら調整することはできても、ファミリーの「人種」を問うことは絶対にできないのです。

短期留学であればこそ、ホームステイ体験の成功が留学の成功のカギ

前置きが長くなりましたが、とはいえ、最初にも書き記したように、日本から留学に来るみなさんやそのご家族の「期待」はよくわかります。

自分が送り出す立場であれば、こんな家族でこんな体験をして欲しいという親心は皆さんと同じです。私たちは、そんな皆さんの「期待」に沿う形でホームステイ先を選定しております。

よって、多くのリクエストやご心配をお寄せ頂かなくても、皆さんががっかりするようなホストファミリーにはあたりません。

子ども時代の留学を成功させなければ、その後の人生において、英語を学ぶ意欲や次の留学に繋がらないからです。

短期留学の成功とは

私は、子どもの短期留学の成功は「楽しかった」と言って日本へ帰すことに尽きると思っています。短期留学の場合、英語力の向上云々ではありません。

親元を離れて過ごす数週間の中で、たくさんの涙やアクシデントも含めてすべてが貴重な体験です。最後に空港で「楽しかった!また来るね」が聞けた瞬間に、一番喜びを感じます。

この成果は、私たちのプログラムのRepeat参加者の多さにも裏付けられていて、スタッフ一同自信に繋がっています。

そして、同時に毎回思うのは、短期留学であればこそ、その功績はホストファミリーのサポートによるところが大きいこということです。

私たちは、毎日学校で子どもたちを見守り、声をかけてプログラム中の様子を把握しています。しかし、私たちがどんなに声がけを続けて、学校ではバディさんらと明るく過ごしていても、帰る家が楽しくなければ、子どもたちの留学に成功はありません。

学校のプログラムや参加者同士の友情が育まれる様子や、素晴らしいポイントは本当にたくさんある中で、よいホストファミリーの家に滞在し、たくさんの愛情を受け取ることこそが、一番大切だと思っています。

(これはまた長期留学となると目的やホームステイ先の家庭内での立ち位置が変わってくるため、視点が異なります。その話題はまた今度)

家がきれいで、家族構成が良いことはもう大前提で、私たちがホームステイ先を選ぶ際には、そもそも留学生を受け入れたいと思っているご家庭であること(自分の子どもが日本語学習中などの理由)、自分たちの日常にほんの一ひねり留学生向けの楽しみを加えてくれること(ただ部屋を貸して食事を提供するだけではない)、預かっている留学生のその親(日本で待っているご家族)へまで想いを馳せてくれること。

こうした点を突き詰めて、「自分の子どもをホームステイさせたい家族」を選んでいます。

一方通行ではホームステイは成功しない。参加者の態度や積極性も成功の大きなポイント!

年齢の低い生徒さんをお預かりすることも増えてきました。大丈夫!と力強く日本を出ても、最初の数日は毎晩涙が出ます。ホストファミリーは、困惑しながらもあの手この手でサポートをしてくださり、毎日私たちスタッフに様子をシェアしてくださいます。

しかし、これが当たり前ではありません。参加者にも、しっかり考えて欲しいことがあります。英語ができる、できないではなく、ホームステイをする前に、参加者としてこうあって欲しいというポイントです。

YesやNoをしっかり伝えること(あいまいな方が困らせます)
感謝や敬意を常に表現すること(Thank youやPleaseを付けるだけでそれは伝わります)
自分の身の回りや家族との共有スペースはきれいに使うこと
その家の独自のルール(消灯時間やデバイスの利用、お菓子の量や頻度など)に従うこと

お客さんではなく、その家族の一員として迎えてもらうことを理解する

英語ができても、これらが理解できていない子は、ホストファミリーとうまくいきません。

TAKEOFF Gold Coastのミッション

実は、短期留学プログラムの実施に際し、毎回、最も時間とお金(人)を使うのが、ホームステイ探しと、生徒さんとのマッチングです。

マッチングには、双方のプロフィールを読み込み、できるだけ共通項のあるご家族を選定したり、生徒側の希望を汲んだ形で、進めています。

短期留学のあと、笑顔で「楽しかった」と言ってご両親の元へ帰ってもらうことを私たちのミッションとして、いつもすべてのスタッフがホームステイ探しから滞在中のコミュニケーションまでに全力を注いでいます。

TAKEOFF Gold Coast 代表
Tomoko INUKAI

TAKEOFF Gold Coastでは現在、2歳からの親子留学、小・中・高校生の短期または長期留学をサポートしております。

ゴールドコースト・ブリスベンに関する各種留学相談は無料です。ご興味のある方はいつでもお気軽にお問い合わせください。

2022年の夏休みプログラムを終えました

  • 2022/09/26
  • Tomoko INUKAI
  • ゴールドコーストの学校生活,留学プログラムに関して,短期留学プログラム

こんにちは。TAKEOFF Gold Coastの犬飼です。

3年ぶりに開催できた団体の現地校短期留学プログラム!おかげさまで無事に終了しました。

夏休み期間の約6週間の間に、計50人を超える参加者が集まりました。コロナ後の海外渡航が徐々に再開しつつある中で、どれほどの人が留学を楽しみにして下さったいたのかを強く感じた2か月となりました。

2022年の夏休みプログラムから

この夏は、コロナ後初の団体プログラムとあって、いろいろと試行錯誤の中での開催となりました。

実際にプログラム実施中にコロナに罹患した生徒や、ホームステイ先のコロナ罹患者によって退去を余儀なくされるケースもあり“舞台裏”ではかなりバタバタとしておりましたが、皆さまが無事に日本へ帰国され、その後のアンケートでも非常に満足度の点で高評価を得たことが私たちにとって最高のご褒美となりました。

この場をお借りして、参加者や関係者の皆さまへ御礼を申し上げます。

この夏のあれこれ(笑いあり涙ありのエピソード)は、これから少しずつまとめていきたいと考えていますが、一番には、参加した生徒たちの素晴らしい意欲に刺激を受けました。

最年少4歳の女の子から高校3年生までの子どもたちと、そのお母様方を含めると幅広い世代にご参加頂いたことも嬉しかったです。

皆さまそれぞれに目標や夢があり、現地での限られた時間を存分に楽しんで(時には悩んで)過ごしてくださいました。

TAKEOFF Gold Coastでは、2023-24年度開始の長期留学生を募集しております。

また、春休み・夏休みの短期留学に関しましてはInstagramやホームページ上で募集を行いますので、ぜひご確認ください。

ゴールドコースト・ブリスベンに関する各種留学相談は無料です。ご興味のある方はいつでもお気軽にお問い合わせください。

オーストラリアの小学校 卒業式

  • 2022/01/31
  • Tomoko INUKAI
  • ゴールドコーストの学校生活,留学プログラムに関して,長期留学生の様子,長期親子留学

2022年度新学期はオンライン授業でスタート!

皆さま、こんにちは。TAKEOFF Gold Coastの犬飼です。

今週はいよいよオーストラリアの長い長い夏休み(公立6週間・私立8週間)が終わり、新年度が始まるところ…でしたが、オミクロン株の感染者がまさに今ピークのクイーンズランド州では、新学期開始が2週間遅れることが決定されています。

学校や学年によってはすでにオンライン授業がスタートしていますが、2月7日の対面授業再開まで夏休みが延長されているところもあります。つまり、10週間の夏休み!(涙)

そのような事情で、まだまだ我が家も落ち着いていませんが、今日は、オーストラリアの小学校卒業式についてご紹介したいと思います。ここでは、主に私立の小学校の場合です。

小学校の卒業式の呼び名は”Year6 Formal”

卒業式=正装(制服ではないドレスアップ)ということで、こちらでは、卒業式のことをFormalと呼ぶことが多いです。中学から高校への境目はオーストラリアでは特に節目とはとらえられず、卒業式などが行われないため、Formalと言えば、Year6かYear12の卒業式を指すことが一般的です。

公立の小学校や一部の私立では、Year6の卒業式で正装せず、制服で卒業証書を受け取るだけという場合もあり、その場合は”Primary Celebration”などと表記されますので、一般的には、Formalと聞くと、Year12の卒業式を指すことがほとんどです。

わが家の場合は、娘も息子も学校は違いますがどちらも正装で食事会などもありましたので、Year6 Formalと呼んでいます。

卒業式は学年最終日の1~2週間前に実施

日本では、卒業式といえば、通学最後の日に行われることがほとんどで、卒業式当日は、先生やクラスメイトと盛大にお別れをして余韻に浸るパターンが通常です。

ですが、こちらでは、「まもなく学年が終わるころ」に卒業式が行われます。

ですので、大々的なセレモニー翌日に、また普通の顔をして登校し、引き続き通常授業を受けます。

本当の登校最後の日(小学校生活最後の日)は、ホームルーム等でお別れの時間はあるものの、送迎などもいつも通りで、比較的いつも通りのテンションで帰ってきます(笑)。

各学年の終業式も同様に、そろそろ学年が終わるころ(2~3週間前)に先に行われるため、どの学年も、最終日は最終日らしくなく、普通に終わります。

私学の場合は、ほとんどの学校が一貫校のため卒業後も同じメンバーで進学することが多い

学校の講堂で、卒業証書授与とダンスパーティ!

卒業式は夜に行われ、このようにディナーが提供されます

会場のテーブルセッティングも本格的でした

ボーイズも、それぞれの個性が出ている晴れ姿。

この学校では、外の広間でダンスパーティ。両親が見守っています。

ディナー会場に向かう通路にはレッドカーペットと装飾。ここを通ってディナーへ行きます。

卒業式の最後に買わされる写真の数々!つい手に取ってしまいますが1枚15ドルほど。

中学2年生の終業式の様子。学年ごとに両親を招いて行われ、表彰や合唱などが披露されます。

各学年の終業式では、その年の成績優秀者、スポーツ、芸術、人格の優れた生徒が表彰されます。

男女での社交ダンスや食事会が定番

小学生の卒業式に関しては、学校によって内容にかなりの差がありますが、長女の学校や長男の学校では、平日の夜に、正装を学校へ行き、両親らの見守る前で学年皆で男女社交ダンスを披露したり、フルコースのディナーを頂きました。

長女の時は、父兄もみんなでの食事会でしたが、長男の場合(2021年度)は、コロナ禍ということもあり、子どもたちと先生のみでの食事会で、ダンスを見た後、両親は会場から退出させられました。

一昨年前(2020年度)は、コロナ禍の厳しい規制の下、ダンスも食事もできない簡素な卒業セレモニーとなったそうです。

ところで、まもなく募集開始の夏休み短期留学プログラムなど、現地校の短期留学に参加をすると、最終日に、写真のように校長先生から一人ひとりに、修了証書が授与されます。

この修了証書授与式では、留学生代表がスピーチをしたり、バディ(お世話係)からお別れの挨拶があったり、日豪どちらの生徒も涙ながらに参加しています。

Tomoko INUKAI
TAKEOFF Gold Coast 代表

TAKEOFF Gold Coastでは現在、学生ビザでの入国となる長期留学生(13週間以上)と、観光ビザでの入国となる短期(12週間以下)留学生を募集しております。

2022年春休み、ゴールデンウイーク、夏休みの短期留学をご希望の場合は、ぜひ無料の個別カウンセリングをお申し込みください。

オーストラリア 長期留学生のためのHSP・PSPコースとは?

  • 2022/01/20
  • Tomoko INUKAI
  • オーストラリアの習い事,ゴールドコーストの学校生活,留学プログラムに関して,長期留学生の様子,長期親子留学

2年ぶりにオーストラリアの国境が再開!

皆さん、こんにちは。犬飼です。

やっとやっとQLD州も、1月22日から、海外から到着時の14日間隔離なしで日豪間の行き来ができるようになりました。

学生やワーホリなどの長期滞在者はもちろん、ワクチン接種完了者で、かつ日本人(日本のパスポート所持者)であれば、観光ビザでの出入国も可能です。このニュースが出てから、さっそく短期留学のお問い合わせをたくさん頂戴するようになり嬉しい悲鳴です。

※ブログをアップしている今日現在、日本では、海外から帰国した際の隔離がございますので、日本側のルールにはご注意ください。

海外帰国者の隔離等に関する厚労省の該当ページ

PSP・HSPってなに?

さて、今日は、小学生から高校生までのお子さまで、オーストラリアへの長期留学をご検討の方にとって重要な、PSP・HSPコースについてご紹介したいと思います。

まず、PSP・HSPとは、それぞれ、Primary School Preparation CourseとHigh School Preparation Couseのことを指し、文字通り小学校入学準備・中学高校入学準備コースのことです。※オーストラリアでは、Year7 (中学1年生)からHigh schoolと呼びます。

海外からくる長期留学生(非英語圏の子どもたち)が、年齢相応の学年でいきなり英語で授業を受け、理解するには、相当の英語力が必要です。そのため、現地校に通学を開始する前に、語学学校などの民間施設で、政府指定のカリキュラムを受講し、「実際の現地校の授業に入るための準備」をするのがこれらのPSP・HSPコースです。

通学先はいろいろありますが、このコースの内容については、政府で定められているためカリキュラムには大差はありません。

語学学校の英語コースとの違い

語学学校のジュニアクラス/英語コースは「英語」を学びますが、このPSP・HSPでは「オーストラリアの現地校に入るための準備」をします。

英語そのものはもちろん、数学、音楽、美術、体育なども時間割に組み込まれているのが特徴です。

HSPコースの仲間と。日本を含む非英語圏(中国・韓国・マレーシアなど)の生徒が中心です。

PSPコースの時間割例。実際の現地校に近い時間割になっています。※クリックで拡大します。

英語や数学は、クラスの中でもさらにレベル別に教材や指導内容が分けられています。

英語で実験!のPSP授業の様子。
このような実験も指示や教材はすべて英語です。

非英語圏の生徒たちが、学年や英語力に応じて授業を受講します。

オーストラリアでは小学校低学年のうちからデバイスを使った授業が盛んです。英語でデバイス(アイパッドやノートパソコンなど)を使う練習も行います。

PSP・HSPへ通学する期間や、通学の必要性について

PSPコースには6歳から通学することができますが、「長期留学生が必ず行かなければならない」わけではありません。

低学年であればあるほど、本人の英語力に関わらずPSPを経由せずにいきなり現地校へ通学開始することが多く、これまでの私どもの経験では、概ね小学4年生以上での長期留学生の場合には、現地校側(公立・私立)から「あなたは10週間ほどPSPに通学してからこちら(現地校)へ通学を開始してください」などと、指示されることが多いです。

これには、決められた基準があるわけではありませんので、通学先の校長先生の判断や前例などに基づいて決まります。

もちろん、年齢にかかわらずすでにそれなりの(授業を聞いて理解できる程度)英語力があれば、これらのコースを経由する必要はありませんし、中学・高校生の交換留学生や期間限定(半年~1年など)留学の場合はHSPなしで現地校へ行ける場合もございます。

すべて個々の状況や背景により判断されますし、一方で、自ら進んでこれらのコースを事前に受講することもできます。

留学(現地校通学)開始後にも通えます!

一般的な流れは、上述したようにPSP・HSPコースを経て現地校への通学を開始するパターンとなりますが、現地校への通学を始めたものの、オーストラリアの現地生と対等に授業をこなすにはまだまだ英語力が足りないと感じられることは多いと思います。

そのような場合には、現地校のホリデー中にこのPSP・HSPコースに塾代わりに通学することも可能です。

留学の期間・お子さまの特性、年齢や英語力によって、これらのプランは何が最適であるかその都度検討する必要があります。

気になる点がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。

Tomoko INUKAI
TAKEOFF Gold Coast 代表

TAKEOFF Gold Coastでは現在、学生ビザでの入国となる長期留学生(13週間以上)と観光ビザでの入国となる短期留学生(12週間以下)のご相談・募集を行っております。

2022年春休み短期留学・2022年夏休み短期留学など、ゴールドコースト・ブリスベンに関する留学相談は無料です。ご興味のある方はいつでもお気軽にお問い合わせください。

オーストラリアの学力試験、NAPLANとは?

  • 2021/06/24
  • Tomoko INUKAI
  • ゴールドコーストの学校生活,スカラシップ(特待生/奨学金)制度,バイリンガル子育て

皆さん、こんにちは。TAKEOFF Gold Coastの犬飼です。

ゴールドコーストの冬は、個人的に年々寒くなっているような気がします。朝晩ヒーターを入れたり、ダウンを着る機会も多くなりました。とはいえ、昼間はやはりポカポカ陽気。スクールホリデーの今、昨日も娘は海で泳いでいました(水は入ってしまえば冷たくないそうです)。

さて、今日は、オーストラリアの小中学生が公立私立問わず、必ず受験するNAPLANという全国統一学力診断テストについてご紹介します。

留学生でも対象学年であれば受験することになりますので、ぜひ、ご覧ください。

最近撮影したもの。秋から冬にかけて空気が澄んで気持ちが良いゴールドコースト。夕方になるとブルーとピンクのグラデーションがとても美しい空を眺めることができます。

NAPLANとは

National Assessment Program – Literacy and Numeracyの呼称です。

受験するのは、Year3、5、7、9の学年で、通学先の学校で、毎年5月の2週目に行われることが決まっています。公立私立問わず、原則としてオーストラリアで通学している生徒は、留学生などの一時滞在者を含め、全員が受験します。

試験科目は、
・reading
・writing
・language conventions (spelling, grammar and punctuation)
・numeracy
の4科目で、英語の読み書きと計算能力をはかります。

試験の目的

この試験が行われる目的は、生徒個々の学力を知ることよりも、各地域や学校、学年ごとの学力差を分野ごとに数値化してわかりやすく示すことにあります。NAPLANの結果により、学校や教師は、自分の生徒たちに「どの分野をより重点的に指導すべきか」という点がわかり、新たな教育方針を組み立てる際に役立てます。

2020年はコロナによりこのNAPLANも史上初めて中止されましたが、2021年は先月、行われました。また、過去の結果などは、公式サイトからも見ることができます。

2019年の結果はこちら
2019-naplan-national-report.pdf

Year3の問題例

市販のNAPLAN問題集

Year3の問題例

NAPLAN廃止の動きや
オンライン化の協議も常時進行しています

アカデミックスカラシップの申請時に提出する場合も

NAPLANの目的は、個人の能力や成績を評価するためではないと先述しましたが、個別にかなり具体的な試験結果が返却されますので、わが子の学力レベルや得意・苦手分野を知る一つの基準となります。

中学や高校入試が一部の特別コースを除き、原則としてありませんので、NAPLANの結果を進学等に使用する機会は通常はありませんが、もし、お子さまが各学校のアカデミックスカラシップ等に応募する場合は、スカラシップ学力試験に加えてこのNAPLANの試験結果を提出するよう求められる場合があります。

そのため、早い段階からそれを見越してNAPLAN対策のテキストやチューターなどで学習を進めている家庭もあります(が、稀です)。基本的には、通常の学校授業の中で学んだ内容で十分対応できる試験です。

学校ごとの結果が公表されることによる学校のランク付け

NAPLANの結果は、州や地域ごとだけでなく、各学校ごとにも詳細がランキング形式で発表されます。日本と違って、偏差値や大学進学実績等、学校のレベルを知るものさしが特にないオーストラリアでは、唯一、このNAPLANの結果はその学校の学力レベルを知る基準となります。

また、実際に特に私立の場合は、学校も「NAPLANで当校はGold Coastで1位獲得」などと広報に使う場合もあり、少なからずその結果を気にしているというのが現状です。

これが公立になると、NAPLANの結果が良い学校=優秀な子の多い学区となり、日本と同様に学区の人気に影響します。特にこちらでは、公立であっても学校ごとの特色(スポーツや芸術分野など)がありますので、NAPLANの結果(学力面)だけが学校選びの決め手になるわけではありませんが、基本的には学区制ですので、引っ越し先などを検討する場合に、その学区の学校についてリサーチする過程では、NAPLANの結果も一つの基準となっています。

留学生のエピソード

私立小学校へ長期留学を開始したあるお客様の場合は、4月の留学開始翌月にNAPLANがありました。当然、彼女にはNAPLANを受ける権利があったのですが、その生徒さんは学校側から「あなたはまだ英語も不安だと思うし、テストなど精神的にストレスになるでしょうから、無理に受けなくていいわよ」と、言われます。

ご両親は、「なんて思いやりのある学校か」と感激していましたが、実はこれは、学校としての平均点を下げたくなかったためだと後に判明します(苦笑)。まだ片言の英語しか話せない渡豪1か月目の生徒に受験させる必要がないのも理解できますが、なんとなく学校側の意図がわかってしまうと、がっかりですね。

(その生徒さんは結果的にその年は受験しませんでした)

 

ご興味のある方はぜひこちらをご覧ください。例題などが試せる公式サイト
NAP sample assessments

Tomoko INUKAI
TAKEOFF Gold Coast 代表

2022年開始のオーストラリア長期親子留学・お子さま単身留学のご相談・ご準備を承っています。
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好きなことをとことん楽しめるオーストラリアの小学校生活

  • 2021/05/14
  • Tomoko INUKAI
  • ゴールドコーストの学校生活,ゴールドコーストの暮らし,バイリンガル子育て

皆さん、こんにちは。TAKEOFF Gold Coastの犬飼です。

こちらは現在Term2 のWeek4が終わるところです。季節は秋から冬へと向かっています。

また、今週は、NAPLANと言って、オーストラリア全国で小学3年生、5年生、中学1年生、中学3年生を対象に学力統一試験が行われています。このNAPLANについては、また詳しくご紹介します。

さて今日は、タイトルにもあるように、好きなこと(得意なこと)がとことん認めてもらえるオーストラリアの教育環境について書きたいと思います。とはいえ、このテーマは実際の経験上も一言では語りつくせぬほど奥が深いため、まずはとても分かりやすい部分からご紹介できればと思っています。

クラス内での授業がすべてではない

こちらの学校では、小学生のころから、希望すれば追加料金で学校内で音楽やスポーツなどの特別レッスンを受けることができます。例えば、ピアノを習いたい場合、学校に申し込みすると、学校に派遣されてくる講師がマンツーマンまたは少人数のグループで校内で教えてくれるのですが、驚くのはその時間帯です。

10時30分からなど、明らかに授業時間と重なっているのです(登校前・放課後や休み時間にあたる場合もあります)。

その場合は、時間になるとその生徒は授業を抜け出して、音楽室でピアノのレッスンを受けて、終わるとまたクラスに戻ります。だいたい毎週固定の曜日と時間になるので、その生徒は、毎週毎回特定の曜日の特定の授業には出ないことになります。それが算数など主要教科の場合もあれば、アートや体育などの時間の場合もあります。

「え?授業に出ずにピアノのレッスンに行くの?」

皆勤賞という言葉に代表されるように、学校への出席や授業参加は絶対的なものであるという日本の暗黙のルール下で育った私たちの感覚では、授業時間中に趣味のレッスン(いわゆる習い事)が行われるということに非常に違和感を覚えます。

ピアノのレッスンを受けることと引き換えに欠席する授業について「損した、失った、取りこぼした」そんな思いを巡らせてしまうのではないでしょうか。さらに、私たちが不安を覚えるその根底には「皆が一律にやらなければならないこと(授業)をやっていない」という集団心理もあるのかもしれません。

しかし、オーストラリアの考え方では、「学校の授業>ピアノ」ではありません。ピアノが好きなその生徒や家族にとって、学校の授業もピアノもどちらも大切なこと。たまたま時間が重なったに過ぎないのです。

すべては「選択肢の多さ」

一方では、ピアノも習いたいけれど、学校の授業をミスするのが嫌な生徒もいるかもしれません。その場合は、放課後や週末に習いに行くというオプションももちろんあります。

ここでお伝えしたいのは、「学校」という場所が就学年齢の子どもにとって「何よりも優先されるべきもの」や「絶対的な場所」ではないというオーストラリアの教育制度の在り方です。

もちろん、中学・高校と進むにつれていろいろとシビアになってくる面もありますが、小学生のころまでは、学校の勉強以外にもたくさんフォーカスできる物事の選択肢があると思います。

先生や学校からの子どもに対する評価は「個」の尊重

チェスをしている息子たちも、大会前などは授業中にチェスルームに呼び出されて特別なレッスンを受けたり、陸上などのスポーツでも、学校がある日に外で大会やトレーニングが行われるというのはオーストラリアでは珍しくありません。

そして、先生も学校も、国語や算数ができることと同じように、音楽やスポーツなどの課外活動の成果や取り組みを高く評価してくれます。

担任との面談で、息子の成績について相談しても「チェスにフォーカスして頑張ってるからこっち(主要教科)の方は今あんまり心配しなくていいと思うよ」。先生はこんな感じです(かと言って学習面が校内で放置されているわけでもありません)。

子どもたちは、まず、興味のあることに集中できる環境があります。

結果的には、それらの得意なことを生かして、小学生のうちからスカラシップ(特待生)に選ばれたり、一見主要教科とは無関係な分野での経験が、形を変えてその後(高校や大学に進むころ)の学習や仕事でのスキルなどに活かされているのではないでしょうか。

しかし、そこには、日本との最大の違いとしてオーストラリアは基本的に(一部の特別コースを除き)小・中・高校に受験がない社会という背景があります。

勉強したい子、勉強に興味がある子は、中学や高校に入って徐々に目標に向けて舵を切っていきます。頑張るタイミングが、日本よりもずっと後にやってきます。それも、頑張りたい子だけ。勉強ではないことにフォーカスする子は、大学進学ではなく、早くから専門の道で職業訓練等を開始し、将来の自分に必要なスキルを身に付けていきます。

これができるのも、実は、オーストラリアでは給与形態が高卒や大卒などの最終学歴に左右されず、「経験年数」がベースである社会だからこそ。とりあえず大学出ておこうという感覚はそもそもないのです。また、一度社会に出てから学びたいものが見つかり、大人になってから大学などに入学して学ぶことも珍しくありません。

 

幼少期から18歳ごろまでの期間に、「どこで頑張るか」というタイミングや「何を頑張るか」の目標の持ち方そのものが、日本とは大きく違うことを感じています。

写真は今回のブログ内容とあまり関係がありませんが…

リュックサックが重いなら、キャリー式スクールバッグという選択も。

下校時間。空の青さと緑のコントラストにカラフルな子どもたち。

オーストラリアの小学生を見ていると、本当に、のびのびしています。

コロナパンデミック直前に留学を開始したひめちゃん。無事に、このTerm2から高校1年生本科生になりました。

Tomoko INUKAI
TAKEOFF Gold Coast 代表

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