アカデミックスカラシップの申請時に提出する場合も
NAPLANの目的は、個人の能力や成績を評価するためではないと先述しましたが、個別にかなり具体的な試験結果が返却されますので、わが子の学力レベルや得意・苦手分野を知る一つの基準となります。
中学や高校入試が一部の特別コースを除き、原則としてありませんので、NAPLANの結果を進学等に使用する機会は通常はありませんが、もし、お子さまが各学校のアカデミックスカラシップ等に応募する場合は、スカラシップ学力試験に加えてこのNAPLANの試験結果を提出するよう求められる場合があります。
そのため、早い段階からそれを見越してNAPLAN対策のテキストやチューターなどで学習を進めている家庭もあります(が、稀です)。基本的には、通常の学校授業の中で学んだ内容で十分対応できる試験です。
学校ごとの結果が公表されることによる学校のランク付け
NAPLANの結果は、州や地域ごとだけでなく、各学校ごとにも詳細がランキング形式で発表されます。日本と違って、偏差値や大学進学実績等、学校のレベルを知るものさしが特にないオーストラリアでは、唯一、このNAPLANの結果はその学校の学力レベルを知る基準となります。
また、実際に特に私立の場合は、学校も「NAPLANで当校はGold Coastで1位獲得」などと広報に使う場合もあり、少なからずその結果を気にしているというのが現状です。
これが公立になると、NAPLANの結果が良い学校=優秀な子の多い学区となり、日本と同様に学区の人気に影響します。特にこちらでは、公立であっても学校ごとの特色(スポーツや芸術分野など)がありますので、NAPLANの結果(学力面)だけが学校選びの決め手になるわけではありませんが、基本的には学区制ですので、引っ越し先などを検討する場合に、その学区の学校についてリサーチする過程では、NAPLANの結果も一つの基準となっています。
留学生のエピソード
私立小学校へ長期留学を開始したあるお客様の場合は、4月の留学開始翌月にNAPLANがありました。当然、彼女にはNAPLANを受ける権利があったのですが、その生徒さんは学校側から「あなたはまだ英語も不安だと思うし、テストなど精神的にストレスになるでしょうから、無理に受けなくていいわよ」と、言われます。
ご両親は、「なんて思いやりのある学校か」と感激していましたが、実はこれは、学校としての平均点を下げたくなかったためだと後に判明します(苦笑)。まだ片言の英語しか話せない渡豪1か月目の生徒に受験させる必要がないのも理解できますが、なんとなく学校側の意図がわかってしまうと、がっかりですね。
(その生徒さんは結果的にその年は受験しませんでした)
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NAP sample assessments