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短期留学で最も気になるホームステイ

  • 2023/08/30
  • Tomoko INUKAI
  • ゴールドコーストの学校生活,ゴールドコーストの暮らし,バイリンガル子育て,留学プログラムに関して,短期留学プログラム

皆さん、こんにちは。TAKEOFF Gold Coastの犬飼です。

さて、今年の夏休みプログラムも無事に終盤です。団体プログラムは、例年以上に学校側の内容も良く、参加してくださった皆さんも充実した表情で帰国されました。

今年は、初の試みとして、10月に7泊9日間の小学生向け現地校留学プログラム(すでに満員)を予定しておりますが、年末年始は留学の受け付けをしておりません。

次の募集は、2024年春休みです。

そんな中、お問い合わせでももっとも多い「ホームステイ」についてここに書き記しておきます。

多民族国家・移民の国であるオーストラリアにおいて“オーストラリア人”とは

留学の希望者から最も多い質問や要望は、やはりホームステイに関すること。

「ホームステイ先はいくつかの選択肢から自分で選べますか?」
「ホストファミリーが気に入らなかったら変えてもらえますか?」
「オーストラリア人(白人)の家にしてください」
「中国やフィリピンやインド系のファミリーはやめてください」
「シングルマザーの家は拒否します」

と言った類のものです。

皆さんのお気持ちはよくわかります!!

しかし、これらのリクエストは、オーストラリアの法律では人種差別として処罰の対象となります。

Anti-Discrimination Act 1991 – SECT 124A
124A Vilification on grounds of race, religion, sexuality or gender identity unlawful 124A Vilification on grounds of race, religion, sexuality or gender identity unlawful
(1) A person must not, by a public act, incite hatred towards, serious contempt for, or severe ridicule of, a person or group of persons on the ground of the race, religion, sexuality or gender identity of the person or members of the group.

もちろん、このブログで、法律や人種差別という話をしたいわけではありません。

むしろ、私も日本から子どもを留学に送り出すのであれば、真っ先に同じようなことを考えたと思いますし、島国で単一民族国家で暮らす日本人の場合、肌の色や目の色、髪の色が違うことを当たり前に認め合える環境にいないため、<英語圏=白人社会=留学>と言った根強いイメージはあると思います。

話しはそれますが、私が大学生の時にカナダへ短期留学した際、受け取っていた資料に記載されていたホストファミリーの名前は、KevinとGrace夫妻に息子はJamesでした。

家族写真は受け取っておらず、空港でKevinとGraceとの夢の対面を想像していた私に、「Hi, Tomoko」と声をかけてくれたのが、笑顔の(見た目)中国人一家でした。

私は、呼ばれて振り向いたまま、固まっていたと思いますし、様々な感情で混乱していました。

「カナダ人(勝手に白人をイメージ)…じゃないの?」
「騙された!(誰も騙していない)」
「カナダまで来て私、中国人の家にホームステイするの?」

何と言われようと、これが、この時の私の正直な気持ちです。成人式に着物を買う代わりに、両親に送り出してもらった貴重な4週間の短期留学…

私は、カナダが多民族国家で移民大国であることを知っていたつもりでしたが、それはそういった事実を知っていただけで、それが現実的にどういうことなのかという想像には事足りていませんでした。

ホームステイ先につくと、自宅は立派な西洋風の建物でしたが、中に入ると、中華街でよく見るようなアジアン装飾のリビング。そして、カナダのホームステイ先で最初の夕食は、麻婆豆腐でした(お父さんがお肉屋さん)。

思い描いていたホームステイのイメージとは180度違いました。

しかし、後からわかったことですが、彼らは移民二世・三世で、カナダで生まれ育ち、カナダの国籍、つまりカナダのパスポートを持っていました。彼らは、ルーツは中国でも、ナショナリティとしては「カナダ人」なのです。

もちろん、英語の面でも、彼らの第一言語は英語。どこを切り取ってもネイティブです。

もし、皆さんが誰かを「○○人」だと認識するとき、それは見た目でしょうか。国籍(パスポート)でしょうか。

同じようなことが、ここオーストラリアでも考えられます。

日本人を含むたくさんの移民がこの地で暮らしています。生まれも育ちもオーストラリアで、人種としての母国に一度も行ったことがない人たちもたくさんいます。私の周りにも、ルーツは日本だけど日本を知らない「日系オーストラリア人」はたくさんいます。

そのような「○○系オーストラリア人」も「ホストファミリーをしたい」と考えることは自然です。「あなたは見た目がアジア人なので、ホストファミリーには認められません」と言えません。

ペットの有無や、アレルギーの件、家族構成として子どもの有無、趣味や生活スタイルについては、希望をお聞きしながら調整することはできても、ファミリーの「人種」を問うことは絶対にできないのです。

短期留学であればこそ、ホームステイ体験の成功が留学の成功のカギ

前置きが長くなりましたが、とはいえ、最初にも書き記したように、日本から留学に来るみなさんやそのご家族の「期待」はよくわかります。

自分が送り出す立場であれば、こんな家族でこんな体験をして欲しいという親心は皆さんと同じです。私たちは、そんな皆さんの「期待」に沿う形でホームステイ先を選定しております。

よって、多くのリクエストやご心配をお寄せ頂かなくても、皆さんががっかりするようなホストファミリーにはあたりません。

子ども時代の留学を成功させなければ、その後の人生において、英語を学ぶ意欲や次の留学に繋がらないからです。

短期留学の成功とは

私は、子どもの短期留学の成功は「楽しかった」と言って日本へ帰すことに尽きると思っています。短期留学の場合、英語力の向上云々ではありません。

親元を離れて過ごす数週間の中で、たくさんの涙やアクシデントも含めてすべてが貴重な体験です。最後に空港で「楽しかった!また来るね」が聞けた瞬間に、一番喜びを感じます。

この成果は、私たちのプログラムのRepeat参加者の多さにも裏付けられていて、スタッフ一同自信に繋がっています。

そして、同時に毎回思うのは、短期留学であればこそ、その功績はホストファミリーのサポートによるところが大きいこということです。

私たちは、毎日学校で子どもたちを見守り、声をかけてプログラム中の様子を把握しています。しかし、私たちがどんなに声がけを続けて、学校ではバディさんらと明るく過ごしていても、帰る家が楽しくなければ、子どもたちの留学に成功はありません。

学校のプログラムや参加者同士の友情が育まれる様子や、素晴らしいポイントは本当にたくさんある中で、よいホストファミリーの家に滞在し、たくさんの愛情を受け取ることこそが、一番大切だと思っています。

(これはまた長期留学となると目的やホームステイ先の家庭内での立ち位置が変わってくるため、視点が異なります。その話題はまた今度)

家がきれいで、家族構成が良いことはもう大前提で、私たちがホームステイ先を選ぶ際には、そもそも留学生を受け入れたいと思っているご家庭であること(自分の子どもが日本語学習中などの理由)、自分たちの日常にほんの一ひねり留学生向けの楽しみを加えてくれること(ただ部屋を貸して食事を提供するだけではない)、預かっている留学生のその親(日本で待っているご家族)へまで想いを馳せてくれること。

こうした点を突き詰めて、「自分の子どもをホームステイさせたい家族」を選んでいます。

一方通行ではホームステイは成功しない。参加者の態度や積極性も成功の大きなポイント!

年齢の低い生徒さんをお預かりすることも増えてきました。大丈夫!と力強く日本を出ても、最初の数日は毎晩涙が出ます。ホストファミリーは、困惑しながらもあの手この手でサポートをしてくださり、毎日私たちスタッフに様子をシェアしてくださいます。

しかし、これが当たり前ではありません。参加者にも、しっかり考えて欲しいことがあります。英語ができる、できないではなく、ホームステイをする前に、参加者としてこうあって欲しいというポイントです。

YesやNoをしっかり伝えること(あいまいな方が困らせます)
感謝や敬意を常に表現すること(Thank youやPleaseを付けるだけでそれは伝わります)
自分の身の回りや家族との共有スペースはきれいに使うこと
その家の独自のルール(消灯時間やデバイスの利用、お菓子の量や頻度など)に従うこと

お客さんではなく、その家族の一員として迎えてもらうことを理解する

英語ができても、これらが理解できていない子は、ホストファミリーとうまくいきません。

TAKEOFF Gold Coastのミッション

実は、短期留学プログラムの実施に際し、毎回、最も時間とお金(人)を使うのが、ホームステイ探しと、生徒さんとのマッチングです。

マッチングには、双方のプロフィールを読み込み、できるだけ共通項のあるご家族を選定したり、生徒側の希望を汲んだ形で、進めています。

短期留学のあと、笑顔で「楽しかった」と言ってご両親の元へ帰ってもらうことを私たちのミッションとして、いつもすべてのスタッフがホームステイ探しから滞在中のコミュニケーションまでに全力を注いでいます。

TAKEOFF Gold Coast 代表
Tomoko INUKAI

TAKEOFF Gold Coastでは現在、2歳からの親子留学、小・中・高校生の短期または長期留学をサポートしております。

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